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今市事件

1、事件概要

 今市事件(栃木・茨城にまたがる女子児童殺人・死体遺棄事件)は、2005年12月1日、栃木県今市市(現:日光市)の小学1年生女児(吉田有希さん(7歳))が、下校途中に行方不明となり、翌2日、自宅から約60km離れた茨城県常陸大宮市の山林から遺体で発見された事件。

 

 発見された遺体は、胸部が数カ所刺されていたことなどから、殺人事件として捜査が開始されたが、事件解決は難航した。その原因は、女児の誘拐目的がはっきりせず、犯人像が特定できなかった点や、遺留品が見つからなかった点が挙げられている。

 

 2014年1月29日 母親ともに偽ブランド品を所持販売していたという商標法違反容疑で勝又拓哉さんが逮捕された。

 

 2014年2月18日 宇都宮地検は、勝又さんを商標法違反で起訴。同日から商標法違反での拘留を利用して女児殺害事件で取り調べを開始する。この段階で勝又さんは自白をする。同日の取り調べの状況は録音・録画されていなかった。

 

 2014年6月3日 栃木県警は、勝又さんを女児殺人容疑で逮捕する。同日から警察・検察全ての取り調べの録音・録画がようやく行われるようになった。

 

 2014年6月24日 宇都宮地検は、勝又さんを女児殺人罪で起訴した。

 

 2016年2月29日 宇都宮地裁で初公判が開かれ、勝又さんは、「殺していません」と明確に無罪を主張した。裁判は、物的証拠が乏しい中、勝又さんが、2014年6月に自白するなどして作成された5通の供述調書が最大の争点とされ、公判では、検事の取調べに勝又さんが、詳細に犯行を自白する映像もモニターで再生された。しかし、自供について勝又さんは、「パニックになり調書にサインした」と証言した。

 

 2016年4月8日 宇都宮地裁(松原里美裁判長)で判決公判が開かれ、求刑どおり無期懲役が言い渡された。

 

 2018年8月3日 東京高裁(藤井敏明裁判長)で控訴審の判決公判が開かれ、藤井敏明裁判長は、取調べの録音録画映像で事実認定した違法性や、殺害の日時場所の事実誤認を指摘して一審判決を破棄したが、「状況証拠を総合すれば犯人であると認められる」などとし、一審同様、無期懲役を言い渡した。

 

 2020年3月4日 最高裁第二小法廷(三浦守裁判長)は、上告棄却を決定。勝又さんの無期懲役が確定した。同決定は、いわゆる三行半(みくだりはん)決定であり、職権による判示はなされなかった。

 

 なお、本事件については、物証がほとんどないなど様々な点から、冤罪も主張されている。

 

●今市事件の主な流れ

2005年12月1日  栃木県今市市で女児が行方不明になる。
2005年12月2日  茨城県内の山林で女児が遺体で発見される。
2014年1月29日  勝又さんが商標法違反で逮捕される。
2014年2月18日  勝又さんが商標法違反で起訴される。
2014年6月3日    勝又さんが女児殺害容疑で逮捕される。
2014年6月24日  勝又さんが女児殺害容疑で起訴される。
2016年4月8日    宇都宮地裁での裁判員裁判で勝又さんに無期懲役の有罪判決が言い渡される。
2018年8月3日    東京高裁で勝又さんに無期懲役の有罪判決が言い渡される。
2020年3月4日    最高裁が上告棄却決定。勝又さんの無期懲役が確定。