無実へ前進、西山さん「うれしい」 湖東病院事件で再審確定
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無実へ前進、西山さん「うれしい」 湖東病院事件で再審確定
3/19(火) 23:35配信 京都新聞
「無実への扉」がさらに開いた。「再審請求をやめずに頑張ってきて、うれしかった」。最高裁が検察側の特別抗告を棄却したことが判明した19日、元看護助手の西山美香さん(39)は、会見で涙ながらに喜びを語った。13年超に及んだ勾留、服役後も一貫して冤罪(えんざい)を主張してきた西山さんは、笑顔の支援者に囲まれ、再審への決意を新たにした。
再審請求をやめたい。普通の日々に戻りたい-。西山さんは、再審請求をしながらも、そんな思いにさいなまれてきた。
2017年8月、刑期を終えた西山さんは、和歌山刑務所を出所した。同年12月、大阪高裁は再審開始を決定した。働きたい。しかし、就職活動で履歴書の十数年に及ぶ空白について問われ、事件のことを話すと、不採用が続いた。
そんなとき、主任弁護士の井戸謙一弁護士にぐちを聞いてもらった。弱音をはくと、父の輝男さん(77)に「殺人の汚名を着せられたままでええんか」と叱られた。「上を向いて歩こう」「ひどい目にあったね」。近所の人たちにも支えてもらい、歩み続けた。
吉報を聞いたのは、ようやく見つけたリサイクル業の仕事中。会社の上司から「お母さんから電話だよ」と声が掛かった。
「再審開始決定出たで」。母は泣いていた。びっくりしたが、うれしかった。井戸弁護士に電話すると「おめでとう」と言われ、喜びが一層こみ上げた。
まだ、仕事内容が、刑務所での作業と重なり、いやな記憶がよみがえることもある。ただ働けることと趣味のネイルアートが楽しい。マイカーで両親をドライブに連れて行きたい。
かつて、自分に有罪を言い渡した法廷は「どよーんとした空気」(西山さん)で、緊張して発言しにくいという。でも、西山さんは、かつて恋愛感情を抱いた刑事が出廷すれば聞きたいことがある。殺人罪で起訴された後、その刑事が拘置所の西山さんに会いに来た。法廷で供述を変えないよう、けん制しに来たのではなかったか。「面会に来た理由を聞きたい」と強く語った。